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《住吉松原毒酒の段》 《高安館の段》
河内国の城主、高安通俊は、奥方の死後、腰元であった玉手御前（お辻）を後妻に迎えます。
通俊は俊徳丸と後継者と定めていますが、それを面白く思っていない異母兄の次郎丸は、俊徳丸を殺して家督を奪い、その許嫁浅香姫をも手に入れようと画策しています。
住吉参詣の折、玉手は美しい継子俊徳丸に酒を飲ませ、恋を打ち明けますが、拒絶されます。
俊徳丸は難病にかかり、美しい容貌も醜く変わり果てます。病を恥じ、また玉手の邪恋を厭わしく思う俊徳丸は、次郎丸に家督を譲るよう書置きを残して出奔します。次郎丸の思惑通りに事が運んだように思われましたが、忠臣誉田主税助により計略は阻まれます。俊徳丸の後を追って、玉手は館を出て行きます。
《万代池の段》
俊徳丸は盲目の身となって、四天王寺西門の万代池のほとりに小屋をかけています。今日は春の彼岸の中日。天王寺の参詣人を当て込んで、閻魔堂建立のため勧進坊主がやってきます。道心合邦です。合邦は撞木を叩きながら閻魔王の徳を説き、寄付を募ります。
夕方、俊徳丸が、落日に向かって合掌しているところへ、浅香姫が現れます。俊徳丸の行方を方々に訪ね歩き、万代池へとやってきたのでした。容貌も変わった俊徳丸に、姫は許嫁とも気づかず、俊徳丸の行方を尋ねます。姫の一途な愛情に、俊徳丸は落涙しますが、名のりもせず、俊徳丸は西国巡礼に旅立ったと嘘をつきます。
姫が悲しんでいるところへ、奴の入平が現れます。姫から様子を聞いたい入平は納得がいかず、立ち去ったように見せかけて引き返すと、小陰に隠れて様子を窺います。俊徳丸は姫を思い、自分の業病を嘆きます。隠れていた姫は俊徳丸に縋りつき、再会を喜びます。
そこへ姫に横恋慕をする次郎丸が現れます。危うく攫われそうになる姫を、合邦が助けます。俊徳丸と姫を逃がし、合邦は次郎丸を池へと投げ込むのでした。
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| （独立行政法人日本芸術文化振興会発行 第99回＝文楽公演 平成17年7・8月 番付より） |
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伊勢神宮に出仕する福岡貢は、福岡家の養子となる前は、阿波の国（徳島県）の侍でした。しかし、主筋に当たる今田万次郎が、紛失した銘刀「青江下坂」の詮議のため伊勢に来たことから、その手伝いをすることになりました。
刀は手に入ったものの、折紙（鑑定書）の行方が分かりません。しかし、今田家失脚を狙う徳島岩次が、折紙を持っていると確信した貢は、遊郭「油屋」の女郎お紺に岩次を探るよう依頼します。貢と夫婦の契りを結んだ間柄のお紺は、岩次にしつこく言い寄られていたのでした。 |
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（独立行政法人日本芸術文化振興会発行 第107回＝文楽公演 平成19年7・8月 番付より） |
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  『伊勢音頭恋寝刃』ゆかりの地巡り は こちら |
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 （クリックすると地図が見られます） |
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天満屋を抜け出したお初と徳兵衛は、現在の通称お初天神（正式名称：露天神社）で心中を遂げますが、近松の原文（新編日本古典文学全集75、近松門左衛門集２より。）を参考に、そのルートをたどってみましょう.。  地図
「星の妹背の天の川。梅田の橋を鵲の橋と契りて、いつまでも。我とそなたは女夫星。」
堂島は中之島と同じく昔は島で、今は埋め立てられている蜆川（曾根崎川とも）と、中之島の北側を流れる堂島川との間にありました。堂島新地の天満屋（現在のNTTテレパーク堂島のあたり）を抜け出した2人は、蜆川を天の川と見立てて梅田橋（現在の堂島3丁目交 差点のあたり）を北に渡ります。
「明けなばうしや天神の。森で死なんと手を引きて、梅田堤の小夜烏、明日は我が身を。餌食ぞや。」
梅田堤はかつての梅田の墓地の近くにあり、人目を避けて梅田堤の近くを通ったという解釈と、墓地近くの烏の声を聞きながら蜆川北岸の堤を東に進んだという解釈があります。前者の解釈の方が有力のようですが、かつての蜆川の位置を明らかにするためにも、ここではあえて後者の解釈を採用してルートを記しました。
「風しんしんたる曾根崎の森にぞ。たどり着きにける。」
蜆川は大江橋のすぐ東のあたりで堂島川から分かれていましたが、ここでは強引に、大江橋の北にあった蜆橋（現在の梅新南交差点のあたり）の手前のあたりから2人はまっすぐ北上したとしてルートを記しました。
以上、梅田橋を渡ってからのルートは全くいいかげんなものですが、堂島新地、梅田橋、蜆川など、往時を偲ぶよすがとなれば幸いです。 。
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 『伊勢音頭恋寝刃』ゆかりの地めぐり は こちら |
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| 役名 |
かしら名 |
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| 魔敬修羅王 |
小団七 |
| 混世魔王 |
端敵 |
| 孫悟空 |
孫悟空 |
| 閻魔大王 |
金時 |
| 赤鬼 |
鬼 |
| 青鬼 |
鬼 |
| 太宗皇帝 |
検非違使 |
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| 高安俊徳丸 |
若男 |
| 合邦道心 |
正宗 |
| 浅香姫 |
娘 |
| 合邦女房 |
婆 |
| 玉手御前 |
老女方 |
| 奴入平 |
検非違使 |
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| 女郎お紺 |
娘 |
| 仲居万野 |
八汐 |
| 福岡貢 |
源太 |
| 料理人喜助 |
検非違使 |
| 徳島岩次 |
陀羅助 |
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| 助国 |
源太 |
| 小巻 |
娘 |
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| 手代徳兵衛 |
源太 |
| 天満屋お初 |
ねむりの娘 |
| 油屋九平次 |
陀羅助 |
| 女中お玉 |
お福 |
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| 高安俊徳丸 |
浅葱花紗綾形綸子白茶綿肩入二枚人形着付 |
| 合邦道心 |
鼠紬着付 |
| 浅香姫 |
赤綸子花霞縫振袖着付 |
| 合邦女房 |
茶木綿着付 |
| 玉手御前 |
黒縮緬藪柑子裾縫着付 |
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| 女郎お紺 |
紫絽霞花裾模様着付 |
| 仲居万野 |
黒絣単衣着付 |
| 福岡貢 |
淡玉子絽井絣単衣着付 |
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| 助国 |
淡納戸縮緬暈し露芝縫い熨斗目着付 |
| 小巻 |
朱色縮緬裾暈し露芝縫裾模様振袖着付 |
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| 手代徳兵衛 |
萌黄紬格子着付 |
| 天満屋お初 |
朱色縮緬枝梅友禅着付 |
| 油屋九平次 |
淡茶羽二重三ツ目小紋着付 |
| 女中お玉 |
藤色縮緬破れ格子白抜染単衣寝巻 |
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| 資料提供：国立文楽劇場衣裳部 |
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平成24年四月公演「加賀見山旧錦絵」「祗園祭礼信仰記」「桂川連理柵」 |
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平成24年初春公演「七福神宝の入舩」「菅原伝授手習鑑」「義経千本桜」「壺阪観音霊験記」 |
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平成23年夏休み特別公演「絵本太功記」 |
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平成23年錦秋公演「鬼一法眼三略巻」「恋女房染分手綱」「伊賀越道中双六」「紅葉狩」 |
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