演目ゆかりのすぽっと    
 『双蝶々曲輪日記』  
   
  八幡里引窓の段  

 (2014年)10月5日、11月公演第一部の「双蝶々曲輪日記」のゆかりの地を歩いてきました。前日までは台風の影響でどうなることかとハラハラしていましたが、10時に京阪八幡駅に集合した時には少し足元を冷やすような風が吹いている程度で絶好の町歩き日和といった趣でした。
 最初の目的地は八幡里引窓の段、登場人物たちの生活が垣間見られる要素の一つである「引き窓」がのこる民家です。駅前のお土産屋さんの左手の小道を入り、すぐ右手の小道を進むと何やらぽっかり空き地が……。首を傾げる応援団団長…何やら嫌な予感がする中、ご近所の喫茶店のご主人に伺ったところ、なんとお家は取り壊されてしまったのだそう。そこから撤去されて行き場をなくした碑が横たえられておりました。
 薮の多い八幡で用いられた引き窓、ですがその八幡の薮の竹から、かのエジソンがフィラメントを作ったのは有名な話。エジソンの胸像も駅の近くに立っています。
  その後は石清水八幡宮の頓宮へ。駅から南東へ220m程歩くと一ノ鳥居が見えてきます。鳥居をくぐると右手には放生池があり、蓮が見事な花を咲かせていました。過去には絶滅危惧種に指定されていたアサザもみることができます。 そのまま奥、右手に進み、頓宮をでてから石段を登ったところに日本一大きいとされている五輪塔があります。最年少メンバーが横に立つと、際立って大きな迫力が感じられました。 頓宮を通り抜け、川沿いにしばらくあるくと安居橋が見えてきます。 八幡市の案内板の説明によれば、石清水八幡宮の神事である石清水祭(放生会)の舞台として親しまれているそうです。

 
 京阪八幡市駅前 
空き地になった南邸跡
 

南邸跡の碑
 八幡宮一の鳥居  
放生池
 
   
五輪塔

 
安吾橋 

 
 
 橋本の段  

 次の目的地は「橋本の段」の舞台になっている京阪橋本駅へ。 準急で一駅大阪方面へ戻ります。駅の改札を出て線路沿いの細い道を下ります。踏切を渡ってそのまま真っ直ぐ行くと、遊郭跡の街並みが左右に続いています。
 道を右手にとって真っ直ぐ進み、突き当りを左へ行くと柳谷の渡し場の碑が建っており、そのまま進むと木津川、宇治川、桂川が合流し淀川となって、国道13号線に沿って流れています。対岸が山崎のまちになります。
 
 
     

橋本の街並み

橋本の街並み
 橋本湯
柳谷の渡し場  山崎を望む

 
 
 大宝寺町米屋の段  

 次は大阪市内のゆかりの地に足を運びました。 まずは心斎橋、「大宝寺町米屋の段」の舞台・大宝寺の土地の名残を残す場所です。現在は心斎橋筋、西心斎橋、東心斎橋、島之内の一部の地名となっています。 橋本から準急、枚方で特急に乗り換え、淀屋橋から御堂筋線天王寺方面行きへ二駅、心斎橋駅に向かいます。七番出口をでて、心斎橋オーパのちょうど裏手に大宝寺町西之丁と刻まれた旧町名継承碑があります。 その他にも、電信柱、料理屋の看板に「大宝寺」の文字がみられます。

   

大宝寺町の名板
 
料理屋

電信柱

現在の街並み

 
 堀江相撲場の段   

 次は「堀江相撲場の段」。 心斎橋から長堀鶴見緑地線の大正方面行きへ乗車し、西長堀で千日前線に乗り換え、そこから一駅で桜川へ到着。1番出口から出てあみだ池筋を北へ直進、道頓堀川を渡って一つ目の交差点を右に曲がり、2筋目を左へ曲がりそのまま直進すると高台橋(たかきやばし)公園があります。 ここには大阪相撲の発祥地であり18世紀ごろまで相撲の中心地となっていた相撲場の跡があったそうです。そのころ堀江は人形芝居もさかんになっていたそうなので、のどかな公園を前に、ここに活気のあるにぎやかな歓楽街があったのかと想像すると、なんだか不思議な気持ちになります。
 高台橋公園の東側の筋を南に三筋行くと、南堀江公園があります。公園の西側、堀江中学校に面したところに、「勧進相撲興行の地」の碑と地元高台地区まちづくりの会が立てられた「元禄五年大阪相撲興行発祥の地」の幟がひらめいています。

 
 

あみだ池筋

幸四橋から望む道頓堀川

高台橋公園

大坂勧進相撲興行発祥の地

勧進相撲興行の地の碑
   
 難波裏喧嘩の段   
  最後の目的地は「難波裏喧嘩の段」、千日前線で一駅、なんば駅まで戻り、7番出口を上がります。でてすぐのビルの住所を見ると表記は「難波中一丁目」となっており、これが「難波裏」にあたるそうです。 手当たり次第辺りの写真を撮りました。応援団のホームグラウンド・なんばに帰ってほっと一息、15時30分頃解散となりました。 演目の順序を考えるとひっくりかえったコース取りでしたが11月公演に向けて理解を深めることが出来ました。(AN)
 





   
   
   
   
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