演目ゆかりのすぽっと        
   
 
 『絵本太功記』  
   
  尼崎の段 

 2015年3月8日(日)、「尼崎の段」ゆかりの尼崎市寺町界隈を巡ってきました。尼崎は近松門左衛門のゆかりの地として観光にも力を入れているまちですので、尼崎を1日かけて歩いてきました。
 このところ ネコの目のようにコロコロとお天気が変わる中、当日の天候が心配ではありましたが、前日の雨が上がり 町歩きにはちょうど良い日和となりました。 朝10時、阪神電車尼崎駅西口に集合です。 本日の参加者は14人。元気に出発です。

 改札を出て左、南側へ出ます。駅前ロータリーを西に進み、五合橋線を渡って 三叉路を左折すると、寺町界隈が見えてきます。 寺町とは、近世の城下町で寺院が集中している地域のことをいいます。 尼崎の城下町は、1617年10月に 幕府から「尼崎に新城を築くよう」命令されたことに始まります。 新城の築城と同時に 城下町の整備も進められ、寺町が作られました。 江戸時代初期(1635年)の城下絵図には 20か寺の寺院が確認できますが、現在は約3.9ヘクタールの地域に11か寺が軒を連ねて残っています。

 
 
  
 阪神尼崎駅西口改札
 
阪神尼崎駅西口
  
ロータリーを西へ
 
五合橋線を渡る
 
コンビニ前を通り…
 
三叉路を左折

寺町界隈
  
 廣徳寺北東角
 
ここを右折
  
廣徳寺
 
廣徳寺説明
 
秀吉由緒の碑
 
廣徳寺
 
 

 まず初めに 廣徳寺を訪ねました。駅からは10分少しで到着です。廣徳寺は「太閤秀吉ゆかりの寺」といわれています。

  〈廣徳寺〉
 

 1582年、本能寺で織田信長が明智光秀に倒された時、中国地方から急いで戻ってきた豊臣秀吉は途中軍勢を離れ、一人尼崎に差し掛かりました。しかし、明智方の武将に追われて廣徳寺(当時 大物にあった)に逃げ込みました。そこで髪を剃り僧に化けて、台所で味噌を擦っていた僧の中に紛れ込み、追っ手から逃げたといわれています。
その時に使ったという「すり鉢とすりこぎ」が 廣徳寺には伝わっています。
秀吉と尼崎の関係は、4月文楽公演で上演される「絵本太功記 尼ケ崎の段」として知られています。
   
   
 廣徳寺の寺名札は、山門ではなく寺内に置かれていました。猿の絵が浮き彫りにされていますが、これは、その風貌から“猿”と呼ばれていた秀吉にまつわる伝説が廣徳寺に伝わっているからだそうです。
 また、臨済宗(禅宗)の寺であるため、「葷酒(くんしゅ)の山門に入るを許さず」という石碑もありました。肉や生臭い野菜を食べたり酒を飲んだ者は、修行の場に相応しくないので立ち入りを禁ずるという意味です。
   

  他のお寺も巡ってみましょう。
廣徳寺の隣 甘露寺には、今が盛りの梅の木が咲いていました。本堂上の鳳と重なって、本当に見事です。
甘露寺の山門をよく見ると、兎があちこちに!象や龍も加わり、とても凝った賑やかな山門でした。
   

 次の法園寺には、北陸の武将 佐々成政の五輪塔がありました。
1588年、九州での失策の責任をとらされ、豊臣秀吉から尼崎での切腹を命ぜられた成政。その悲運の武将を供養して建てられました。

   
   
  
 廣徳寺
 
猿の浮彫
  
不許葷酒入山門の碑
 
甘露寺鳳
 
梅と甘露寺鳳
 
甘露寺
 
  
 
  甘露寺  
法園寺
 
佐々成政公墳墓の地
 
法園寺説明
佐々成政公生涯 
  
供養五輪塔
 
琴浦窯説明
    
 
獅子
 
ふくろう

 寺町の通りには琴浦窯の説明があり、付近の住宅には かわいい焼物が点在していました。

 大覚寺は、2月3日の豆まきや 奉納狂言が有名です。
 長遠寺には美しい多宝塔があり、本堂とともに国の重要文化財となっています。
 如来院は、鎌倉時代に極楽浄土に往生することを願って 神崎川に入水(じゅすい)した5人の遊女の髪が奉られています。

 
   
  
大覚寺
 
大覚寺
 
長遠寺
 
長遠寺
 
如来院
 
如来院胴鐘

 交差点を渡ると、赤門がひときわ目をひく専念寺が見えてきます。
専念寺は、平安末期の武将 平重盛の菩提所ということで、朝廷から山門を赤くすることを許可されました。
中庭の梅が見頃で、赤門とのコントラストが見事でした。
本堂では涅槃像も公開されていました 。(SN)

 
   
  交差点を渡る  
専念寺
 
専念寺
 専念寺略歴  
平重盛と専念寺
 
  
しだれ梅
 
梅と赤門
 
専念寺説明
 
涅槃図公開
   
   
このあとは
尼崎まちある記へ
 
 
   
   
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