演目ゆかりのすぽっと    
 『生写朝顔話』  
   
  宇治川蛍狩の段  

 『生写朝顔話』「宇治川蛍狩の段」の舞台である、宇治へ行ってきました。 文楽劇場最寄りの地下鉄堺筋線日本橋駅を13時に出発し、北浜で京阪本線へ乗り換え。中書島で宇治線に乗り換えて、14時18分に宇治駅に到着しました。

 改札を出ると、右手に宇治橋がみえます。宇治橋は、「瀬田の唐橋」(滋賀県大津市:瀬田川)、「山崎橋」(京都府大山崎町・八幡市:淀川)とともに、日本三古橋のひとつに数えられているそうです。「宇治川蛍狩の段」で宮城阿曾次郎が娘深雪と出会うきっかけとなる、短冊に読んだ歌「諸人の行きかふ橋の通い路は、肌に涼しき風や吹くらん」のその橋が、この宇治橋です。その宇治橋の東詰に、「名さえ出花の通円が、店は人絶えなかりけり。」と語られる、創業永暦元年(1160年)の「通圓茶屋」があります。

  橋を渡って左へ、縣神社参道の鳥居を右に見て、左側の平等院表参道をお茶の香りに包まれながら進むと、駅から10分で平等院表門に到着。拝観料600円(鳳凰堂内部拝観は別途志納金300円)を支払って中へ入ると、左手、観音堂の北側にお目当ての「扇の芝」があります。
 治承4年(1180年)、源頼政が以仁王を奉じて平家追討に挙兵(以仁王の乱)しましたが、宇治川で平知盛の大軍に敗れ、この地で自害したと伝えれれています。
 
 さらに進むと阿字池に浮かぶように鳳凰堂がみえてきます。2012年9月から始まった修理も去年2014年3月に終り、新たな輝きを見せています。池に沿って進むと鐘楼がみえ、その下に「鳳翔館」入口があります。梵鐘、鳳凰一対、雲中供養菩薩像など平等院に伝わる宝物類が保存されており、映像展示には4カ国語の字幕が出ていました。

 鳳翔館を出てすぐの南門から出て左手に、坂道を少し下り宇治川に出て、十三重の石塔を望みつつ喜撰橋を渡って中の島にわたり、さらに、朝霧橋を進んで、対岸に渡ります。上流方向へ進み、観流橋を通過すると左手に「興聖寺」の門がみえ、琴坂というゆるい坂を登ると、お寺に到着します。
 僧月心に宇治の里を案内されていた宮城阿曾次郎ですが、「大事の法要をはたと失念いたした。ヤ無礼ながら拙僧は、これよりすぐに興聖寺へ参り、…」とあるお寺です。

 帰りは宇治川沿いを下流に進み、最初の「通圓茶屋」に16時に戻りました。真夏の暑さで大変でしたけど、「宇治川蛍狩りの段」を楽しむためには夏に訪れる必要があると思いました。 (US)
 
京阪宇治駅
 
 
宇治橋
 通園茶屋
 
 縣神社参道
 扇の芝  鳳凰堂  
鐘楼 
 興聖寺案内  


喜撰橋

中の島 

観流橋

琴坂 
 興聖寺
 
   
   
   
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