演目ゆかりのすぽっと
『本朝廿四孝』

 今から約7年前の平成17年(2005年)、国立文楽劇場文楽公演第100回記念として「通し狂言 本朝廿四孝」が上演されました。
そのゆかりの地を訪ねようと19名の応援団員が、この年10月1~2日にかけて一泊の「ゆかりの地バスツアー」に出かけました。

 「本朝廿四孝」は、武田信玄(晴信)と上杉謙信(景虎)の川中島合戦をもとに、両者の確執を軸に構成された物語。信濃国(長野県)と信玄の館があった甲斐国(山梨県)を中心にドラマが展開します。
 文楽劇場を出発して5時間ほど、諏訪大社下社秋宮に到着。信州は遠かった。

 鳥居を入ってまず目に入ってくる大きな木は「根入の杉」と呼ばれる樹齢八百年の御神木。大注連縄が懸けられた神楽殿には青銅で出来た狛犬が・・・。青銅製では日本一だとか。諏訪大社で有名なのは御柱祭(おんばしら)と呼ばれるお祭りで、7年目ごとに宝殿を造り替え、また社殿の四隅に「御柱」と呼ばれる樅の巨木が建てられます。


根入の杉

根入の杉説明板

神楽殿 




幣拝殿


秋宮一之御柱

 次に向ったのは、諏訪湖石彫公園。ここには八重垣姫のブロンズ像が建てられています。
 八重垣姫と聞いて思い出すのは、恋しい勝頼様に追手が迫っているのを知らせようと、「アア翅が欲しい、羽が欲しい、飛んで行きたい、知らせたい、逢ひたい見たい」・・・。こんなにも慕って貰って幸せだなあ・・・。
 今は諏訪湖に氷が張り詰めている。船も叶わぬ、ましてや女の足では・・・。そうだ、「湖に氷張詰むれば、渡初めする神の狐、その足跡を知る辺にて、心安う行交う人馬、狐渡らぬその先に、渡れば水に溺るるとは、・・・・・」
 御神渡(おみわた)りを辿っていけば・・・。
 最近ではめったに御神渡りは見られないそうです。


諏訪湖東岸の八重垣姫像
「狐火の段解説碑
   

白狐稲荷神社
次は、小川にはさまれて、橋の袂に建っている白狐稲荷神社(びゃっこいなりじんじゃ)。周りは田んぼで、そこだけがこんもりと繁った森というか、小さな祠でした。
 一日目最後に訪れたのは、諏訪市に鎮座まします諏訪大社上社本宮です。
 この社にも四隅に御柱が立っています。
 諏訪湖の北にある下社秋宮・春宮、南にある上社本宮・前宮、この4宮を諏訪大社と称しています。

 日も暮れかかってきました。本日のお宿の石和温泉へ、いざ一っ走り。
諏訪大社上社本宮 上社本宮幣拝殿
      本宮一之御柱
 翌日は甲府市にある大泉寺へ詣でました。信玄により追放された信虎の墓が、信玄・勝頼と三代仲良く並んでいます。続いて武田神社へ。
二段目「信玄館の段」、「村上義清上使の段」、「勝頼切腹の段」に登場する武田氏三代の居館であった躑躅ケ崎館、館跡には今も土塁や堀が残っていて国の史跡に指定されています。その館跡に大正時代に創建されたというのが武田神社。御祭神は信玄公ではなく「武田晴信」公。信玄は法名なので神社では祭れないとか。
 最後に、信玄、勝頼の菩提寺である法泉寺にお参りして、ゆかりの地巡りの旅を終えました。 (SK.)

大泉寺
武田三代の墓 武田神社 武田神社
法泉寺

     
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