周辺見てある記
篠原古戦場・安宅の関跡
 2018年6月3日、団員20人で石川県加賀市・小松市を訪れました。 本来なら2017年の秋にバスツアーで訪れる予定だったのですが、 想定外の台風直撃により、泣く泣く中止にせざるを得なかった企画です。 今回はリベンジの気持ちが強かったのか、梅雨の合間の快晴とともに、 心配していた渋滞にもあわずに遂行することができました。
 朝8時に劇場に集合し、元気にバスに乗って出発です。
 途中のサービスエリアで休憩を取りながら、名神高速道路・北陸自動車道を走り 3時間半かけて尼御前サービスエリアに到着しました。 こちらのサービスエリアの裏手から、遊歩道を通り尼御前岬に歩いて行くことができます。

<尼御前岬>
 奥州を目指す義経一行のなかにいた尼御前が、安宅の関の取り調べの厳しさを聞き、 女なるがゆえに足手まといになることを憂い、主君の安泰を願って岬から身を投げたという 悲しい伝説が残る場所。 岬には尼御前の銅像があります。

石川県加賀市岬町
・JR加賀温泉駅から加賀周遊バス キャン・バス海まわり→尼御前岬バス停から約500m
・JR加賀温泉駅から約7.9km
・北陸自動車道 片山津ICから約4.5km
・北陸自動車道 加賀ICから約10.4km


 
 
 
 尼御前岬
 
尼御前像
 海岸を望む
説明板
   
                   
 記念写真を撮ったら、バスで5分の篠原古戦場へ。

<篠原古戦場(首洗池・実盛塚)>
 寿永2年(1183)、倶利伽羅の戦いで敗走した平家軍と木曽義仲の軍が戦った源平の古戦場です。 その際、白髪を染めて戦った斎藤別当実盛の首を洗ったといわれる首洗池、 その亡骸を葬った実盛塚があります。
  首洗池のほとりには、実盛の首を前にさめざめと嘆く木曾義仲や樋口次郎兼光・手塚太郎光盛の像があります。 実盛塚は、大正6年(1917)に整備されました。
 大きな土盛の塚で、一本の見事な老松が大きく枝を広げ、その下には「南無阿弥陀仏」と刻まれた供養塔がたっています。

石川県加賀市手塚町
・JR加賀温泉駅から加賀周遊バス キャン・バス海まわり→中谷宇吉郎雪の科学館バス停から約2.8km
・JR加賀温泉駅から加賀周遊バス キャン・バス小松空港線→中谷宇吉郎雪の科学館バス停から約2.8km
・JR加賀温泉駅から加賀温泉バス 温泉片山津線→片山津西口バス停から約3.0km
・JR加賀温泉駅から約7.4km
・北陸自動車道 片山津ICから約1.8km
・北陸自動車道 加賀ICから約11.4km

   
古戦場跡実盛塚道標  実盛塚
 
供養塔(中央)


実盛塚説明


 
 
 
 
篠原古戦場跡碑

首洗池の像

 首洗池
 首洗池説明板
 
 いよいよお待ちかねの安宅に向かいます。
小松空港の横を北へ向かい、15分で安宅の関に到着しました。 まずは安宅住吉神社で正式参拝をさせていただき、その後 安宅の関跡・勧進帳ものがたり館をめぐります。 正式参拝では、巫女舞を奉納後、宝物や安宅の関についての案内をしていただきました。

<安宅住吉神社>
  古くは奈良時代の書物にも登場し、安宅の関跡を境内に持つ神社。 義経一行はこの神社で休憩したといわれ、境内には「弁慶の逆植の松」と呼ばれる 大きな松があります。
  社殿内には、勧進帳の場面を描いた貴重な押絵や歌川国芳の錦絵などの宝物がある他、 全国唯一の難関突破の守護神として、多くの信仰を受けています。

<安宅の関跡>
 日本海に面したクロマツ林に囲まれた平坦地の中にあります。 弁慶・富樫・義経の銅像が立ち、富樫と義経の関の宮があります。 安宅ビューテラスでは、日本海を一望しながら食事をとることも可能です。

<勧進帳ものがたり館>
 勧進帳の名場面をいろいろな角度から楽しむことができる施設です。
  文楽の人形展示・歌舞伎の映像視聴など、じっくりと見学できます。

石川県小松市安宅町
・JR小松駅から小松バス 安宅線→安宅の関跡前バス停下車
・JR小松駅から小松バス 空港線→安宅住吉神社バス停下車
・北陸自動車道 小松ICから約4km
 

安宅住吉神社
 
参道
 
扁額
 本殿  
逆植の松
 
弁慶像
 

安宅の関跡道標
 
安宅の関跡
 安宅の関・像  関の宮  
物語館
 
              

 お昼をずいぶん過ぎてしまいましたが、いよいよ昼食に向かいます。 安宅の関からバスで15分のホテルサンルート小松で「小松勧進帳重箱膳」という、 バスツアーにピッタリのランチをいただきました。

<ホテルサンルート小松>
石川県小松市日の出町
・JR小松駅から小松バス 空港線→ホテルサンルート前バス停下車
・北陸自動車道 小松ICから約4.8q

 お腹が満たされたところで、最後の観光地である多太神社へ行きました。 バスで5分。サンルートからはすぐです。
 こちらの神社では事前に予約をすると、實盛(実盛)之兜保存会会長の中山さまが 宝物館等を詳しく説明をしてくださいます。

 初めに説明してくださったのは、『むざんやな甲の下のきりぎりす』という松尾芭蕉の句が書かれた石碑です。
 松尾芭蕉は元禄2年(1695年)から約150日にわたって東北・北陸を巡りました。 その道中2度も小松市を訪れ、多太神社にも参拝をしています。
 平家物語のゆかりの地を多く訪ねた芭蕉は、特に木曾義仲に心酔していたようです。 義仲が実盛の首を前に「あな無慚、實盛にて候」と涙を流したという場面から、 実盛の兜を見た芭蕉は この名句を詠んだと言われています。

 いよいよ宝物館の中へ案内していただきます。 こちらに重要文化財の実盛の兜が保存されています。 (義仲が実盛の着具であった兜を多太神社に納めたと伝えられています。) 高さは12.5p・重さは4.4s、精巧に造られたその兜は 修理されたといえども 本当に威厳のある佇まいでした。
  しかもその兜は、源(多田)満仲が造ったと言われています。
  満仲といえば兵庫県川西市平野。 源氏発祥の地として知られ、多田神社・多太神社・満願寺があります。 関西在住の私たちにとって、身近に感じざるを得ません。

  芭蕉の自筆や他の多くの宝物も見学させていただき、本当に感動しました。

<多太神社>
石川県小松市上本折町
・JR小松駅より小松バス→上本折バス停下車3分
・JR小松駅より徒歩15分
・北陸自動車道 安宅ICから約8q

   
   

多太神社
 
多太神社
 
多太神社扁額
 
実盛公御兜(宝物館)
 源平関係図(宝物館)  
芭蕉句碑
 
 まだまだ拝見したい場所はたくさんあるのですが、 大阪までの時間を踏まえ、早々に帰路に着くこととなりました。 途中で休憩を取りながら、予定より1時間近く遅れての20時 劇場到着。 本当に皆さまお疲れ様でした。   
(S.N)  
   
   
 
 
   
   
   
   
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